2010年8月。

俺は成田空港で寿司を食べていた。

これからUSCPAを受験するためにグアムへ行くための飛行機に乗る前に、恒例の儀式を行っていた。

いつも成田空港から海外に行くときは、お決まりの回転寿司で寿司を食べてから飛行機に乗ることにしているのだ。

俺は飛行機は狭くて苦手なので、機内食とかも食べる気にならないのでね。

といっても、グアムまでは3時間程度だが・・・。

寿司を食べ終わったあと、飛行機に搭乗して3時間ほど考え事をしながらグアム到着までを過ごした。

自分は飛行機では寝れないし、映画とかも観る気が起きないため、いつもなにもせずにぐったり考え事をすることが多い。

「初のグアムか・・・」

当時コールセンターの派遣社員だった俺は、有給を取って試験のための日程を確保するのも簡単ではなかった。

今とは違って、当時はアメリカでないとUSCPAは受験できないからな~。

グアムには3泊4日の滞在予定。

「2度目のBECだ・・」

2度目?

そう、実はUSPCAを受験するのはこの時が初めてではなかった。

学生時代、LAに住んでいてUSCPAを目指していたことがあった。

2006~2007年頃だったかな。

当時は大学でファイナンスを専攻する傍ら、USCPAに受かるべくひたすらGleimで勉強していた。

そして、最初に受けたBECで合格することができた。

しかし、その後は卒業や就活を優先しながらの勉強だったので、AUDやFARで立て続けに落ちて、わずか1科目の合格だけでUSCPAを諦めた経験があった。

なので、すでにその頃から3年以上経っていたので合格したBECの有効期限も失効しており、再度受験することになったのである。

学生時代もそうだったけど、BECは自分の中では一番受かりやすい科目だと思う。

今はWritten Communicationがあるらしいが、当時はBECはMultiple Choiceだけだったし、1問1問は簡単な問題だと思った。

だから、働きながら再チャレンジを決めた時も、まずはBECを受かって勢いをつけたいという風に思った。

何しろ、1回受かってるしね。

そんなことを考えながら、グアムにたどり着いた。

「久々のアメリカだ~!」

といっても、グアムは初めてだったので新鮮だった。

イミグレーションでも、日本語で話しかけられたし(笑)

雰囲気もいかにも南国~~ってな感じだった。

そして、早速バスに乗り込んでレオパレスリゾートというホテルに向かった。

レオパレスリゾートを選んだのは、ちょっと値段は高めだけど部屋も広くて評判もよく、ホテルの敷地内は広々としていて施設も充実しているそうなのでゆっくりとコンディションを整えられると思ったからだ。

ホテル代をけちって満足に休養を取れないで試験に落ちるなんてのは一番避けたかったので。

そして、ホテルに着くと予想通り綺麗で広々してて最高だった。

日本人観光客や日本人スタッフも多くいた。

レオパレスって名がつくぐらいだから、レオパレス21が運営してるのかな?

そこはよくわからんけど。

受験日は3日目だったので、着いた1日目はちょっとホテルの敷地内を散策しながらのんびり過ごした。

「お~、テニスコートやジムまである~!」

初めてのグアムでの体験で、気分が高揚した。

レストランも色々とあるし、売店も充実していたから食べ物に困ることはなかった。

日本のプロ野球選手とかの写真も飾ってあって、キャンプ地のホテルとして利用することもあるみたいだ。

「結構有名なホテルなんだな~」

そんなことを思いながら、1日目は移動の疲れもあったので早めに寝た。

2日目は完全にフリー。

といっても、翌日に受験を控えていたので外にでて楽しむことはしなかった。

ホテル内は気持ちいいが、やはり常に緊張していたので。

そんなわけで、2日目は何をしていたかあまり覚えてないが、とにかくホテルでぐうたらしていたと思う。
ちなみに、グアムに着いてからは全く勉強していない。

自分の性格的に、前日とかに追い込むように勉強するのは好きじゃないからである。

それよりも、ひたすらリラックスして体調を整える方がいい。

そう思って2日目も早めに寝た。

そして受験日である3日目。

受験は確か朝早くだったので(8時だったか)、タクシーに乗ってドキドキしながらテストセンターへ。

待合室に入ると、韓国人や日本人と思われる人がいっぱい座っていた。

もはやみんな何人がよくわからん(笑)

一人一人テストセンターのスタッフの人に呼ばれて、試験室へ入っていく。

そして自分も呼ばれた。

試験室に入って、PCの前に座った。

「またここに座ることになるとは・・・」

緊張の中、試験を開始した。

「一度受かってるんだ!今回もできる!」

BECは、自分の記憶では各テストレットによる難易度調整がない。

だから、最初のテストレットで気負う必要もない。

しかも、以前合格した際は時間がものすごく余ったので、今回も落ち着いて問題が解けると思っていた。

しかし、今回は違った。

前回合格したときよりか手応えがあまりよくない・・・。

正解だと確信が持てる問題が前の時よりも少ない気がした。

前と同じくGleimで問題演習をしまくったのに。

自分は、学生時代はUSCPAの勉強はGleimを使っていた。

でも、今回の再チャレンジではBeckerを使うことにしていた。

事実、他の科目ではすべてBeckerで問題演習をしていた。

だが、BECだけは今回もGleimを使ったのだった。

前回受かった時、BECの受験本番では、幸運にもGleimでやった問題がそっくりそのまま使われて出題されていたものがあったのだ。

全問題の10%くらいは回答の選択肢もGleimの演習問題と全く一緒で、ボロ儲けのような問題が多かった。

そのため、今回もそれを期待してBECだけはGleimで行こうと決めて学生時代と同じように勉強したのだった。

ただ、前が運がよすぎたのか、今回は演習問題と全く一緒の問題が出題されたのはほとんどなかった。

「くそ~、見たことない問題まででてやがる・・」

そう思いながらちょっと不安になりながら回答を進めていった。

ただ、それでもやはりBECは自分の得意科目でもあったのですぐに回答できる問題も多くあった。

ただ、前に受かった時よりは手応えは薄くなった気がしたのは確かだ。

そして、今回も時間に余裕があったので再度見直しをしながら試験を終了した。

「う~ん、前よりちょっと手こずった・・」

確実に大丈夫という確信が持てないまま、モヤモヤとした状態でホテルに帰った。

午後は試験も終わり、完全にフリーだったので、せっかくなのでグアムを楽しむことにした。

とはいっても、レオパレスリゾート内が広いので外に出るのが面倒だった。

なので、ちょうどモヤモヤした状態だし、ジムもあったのでルームランナーで走ることにした。

なるべく終わった試験のことは考えないように、かなりの速度で走った。

当然疲れたが、頭はスッキリとした。

夜は豪華にホテル内のBBQに参加して、現地の人のダンスを観ながらビールを飲んで一人楽しんでいた。

そして、途中から一緒に踊らされた(笑)

いや~、楽しかったね。

そして食事も踊りも終えて帰ろうとしたとき、一緒に踊ったグアム美女に声をかけられた。

「さっきの踊ってた写真、記念に一枚10ドルでどう?」

なんと、やはりそういうことだったのか、グアムといえどアメリカ、商売上手(笑)

そして、グアムと楽しいダンスと酒に洗脳された俺は、勢いで4枚40ドルで踊っている写真を購入してしまった(笑)

そんな感じでグアムでの滞在を終えた。

そして試験結果に悶々としながら日々の生活を送って1ヶ月半後、NASBAから郵便物が届いた。

「来た!!」

この時は試験結果は郵送で知らされていたのだ。

家に帰ってきてすぐに、緊張して震えた手で封筒を開けた。

そして、恐る恐る点数を見た。

81点!!

 

「いよ~~~~~っ!」

第一関門突破!

手応えは前より感じなかったけど、やはり得意科目。

これで再度BECのクレジットをゲット!

これで、ある意味USCPAのスタート地点に再度立てた!

残りは今まで受かったことない3科目!

最高のスタートを切れた!

「やってやる!働きながらでもできるんだ!」

左手を高らかに上げ、人差し指を突き出して「1」のポーズをとった。

武豊がディープインパクトで皐月賞を制した時にやったポーズそのものである。

まずは1冠!もとい、1科目!

その日はとても最高の夜だった。

そしてふと、グアムで買った写真を眺めた。

改めて冷静になった。

「写真4枚で40ドル・・・・ぼったくりだな(笑)」

その場で写真をゴミ箱に捨てたのは言うまい・・・(笑)