Too big to fail」という言葉、聞いたことある人は結構多いんじゃないでしょうか。

大きすぎて潰せない」というリーマンショックの時に話題になったフレーズですね。

リーマンショックの時は、リーマンブラザーズは政府から救済されなくて結局つぶれてしまいました。

しかし、アメリカ大手保険会社の「AIG」も相当やばい状態になっていて、こっちの方は政府が救済しましたね。

AIGが倒産してしまうと、4000億ドルもの金融商品がオジャンになってしまい市場や顧客にかつてないほどの大打撃を与えることになってしまうからアメリカ政府としては救済せざるを得ないということになったんですよね~。

リーマンも同じく市場に多大な影響を与えたことは同じなんですけど、リーマンの当時のファルド会長は政府からあまりよく思われてなかったせいで救済されなかったという話を聞きます。

結局、好き嫌いかよ!」なんてツッコミを入れたくなるところですけど。

でもこの「大きすぎて潰せない」という言葉、そっくりそのまま監査法人にも当てはまります。

我々監査法人は監査をする企業から報酬をもらって監査をしているわけです。

なので、監査クライアントは「お客様」という存在でもあるわけですよね。

特にその顧客であるクライアントが大企業の場合、適正意見が出せない状態になってしまうと市場に大きな影響を与えることになります。

市場の投資家たちは敏感ですから、決算発表が遅れたり、監査法人が突然交代になったりすると、「なんかマズイことでもあったのか!?」なんていう思いが強く働きます。

特に、大手銀行等の日本経済に大きく影響を与えるクライアントが粉飾やなんらかの事情で決算発表ができないなんてことが起きるとまあ~大変なことになります。

「監査法人側が適正意見を出せない=クライアント企業は問題をかかえている」ということですから、投資家たちは完全にその企業から一気に手を引く事態になってしまいます。

その結果、その企業は倒産に追い込まれてしまうというようなことは珍しくありません。

ドラマの「監査法人」でも、第一話で企業の決算発表が遅れたニュースが流れて社長が自殺してしまったという話がありましたけど、それほど大企業の監査は敏感なわけです。

そして、監査法人側が決算書を承認しないと会社が潰れてしまって困るのは市場だけじゃありません。

その会社から監査報酬をもらっている監査法人自身が一番困るわけです。

特に、日本を代表する大手企業の監査報酬はその監査法人の売上に大きく貢献しているわけですから、そのクライアントの会計処理などに大きな問題があっては監査法人側も困るわけです。

その結果、粉飾を見逃してしまったりといったケースもでてくる可能性もあります。

なので、自分たちスタッフも監査をする際はなるべく問題が起こらないように祈りながら監査をしています(汗)

問題が見つかって、最悪その担当クライアント企業がなくなってしまうと自分たちの仕事もなくなってしまいますからね。

だからと言って、粉飾や重要な間違いを見逃すことができないからジレンマが発生するわけですよ。

こういう悩みは、クライアント企業から報酬をもらって監査をしている限りは一生続くことになります。

「大きすぎて潰せない」という言葉、監査法人で仕事をするようになってからは身に染みてわかる言葉になりました。