監査法人は企業をクライアントとして会計監査を行う立場なのですが、監査法人も監査されることがあります。

それは、公認会計士協会による監査法人に対する監査です。

人によっては「恐怖の協会レビュー」とも言います。

自分たちがちゃんと一定のルールに従ってちゃんと企業を監査しているかどうかチェックしにくるわけです。

当然監査法人と名乗るすべての監査法人が一定の周期で協会レビューを受けることになります。

君たちちゃんと厳格に監査やってるよね?」ってな具合に協会レビュー担当者が事務所に来て、自分たちが作成した監査調書をチェックするわけです。

そして、その監査調書がしっかりしていない、いわば雑な監査をしていると判断された場合、最悪業務停止命令が下されるのですから恐怖の協会レビューと言われるのです。

監査法人にとって「業務停止命令」、これほど怖いものはないのですよ。

かつてBig4の一角だった中央青山監査法人が解散になってしまったのはこの業務停止命令によるものですからね。

業務停止命令を受けている間はすべての監査クライアントを一旦手放さなきゃいけないわけです(非監査業務のクライアントはOK)。

そのため、一旦クライアントをすべて手放して他の監査法人に監査を受け持ってもらうことになるわけですから、業務停止が解けたあとにそのクライアントが戻ってくるとは限らないわけですよ。

ましてや、業務停止命令を受けた監査法人にクライアントが戻ってくるはずがない。

そういう図式でクライアントを失ってしまった中央青山は解散に追い込まれたわけですね。

なので、公認会計士協会によってレビューされることが事前に決まった法人は、各クライアントのインチャージに対してより正確な調書を作成したり手直しするように準備するのです。

直前まで、どの担当クライアントの調書がレビューされるのかがわからないのですから。

その法人が抱えているクライアントの調書をチェックしてたら永久にレビューは終わらないので、大体その年の話題になったクライアントとか規模とかでランダムに選んでいるみたいですけど、詳細は協会の人じゃないとわからないです。

まあ、協会レビューの年だけいつも以上に監査調書の作成に力を入れるっていうのはちょっと問題があると言われてしまうと痛いのですが(最初っからちゃんとやっとけっていう話ですよね・・・)。

ただ大抵は細かいところを少し指摘されるぐらいで大丈夫なんですけど、協会レビューにあたったクライアントを担当しているインチャージの人へのプレッシャーは半端ないでしょうね。

自分も中堅監査法人時代に担当していたクライアントで、インチャージの人が「ここは絶対今年あたる!」って予想してて予め協会レビュー準備のためのスケジュールを抑えてましたからね(笑)

そして見事に(?)協会レビューの対象になって乗り切ったということがありました。

「万が一業務停止命令なんてことになったら・・・」なんて思わせる協会レビューは怖いので、これまたインチャージは大変だなと思うわけです。

今の担当クライアントもいつ協会レビューの対象になるかわからないのですが、レビュー対象に決まったらプロジェクトチームでもできそうですね(笑)