監査現場での責任者のことを「インチャージ」といいます。

法人によっては「主査」とか「主任」と言う風に呼ぶこともあるらしいですけど、基本的には「インチャージ」と呼ぶのが一般的です(NHKドラマの「監査法人」では「主査」と言ってましたね・・)。

ちなみに、ここでいう「責任者」というのは実務レベルでの責任者であって、パートナーのように監査報告書にサインをする最終的な責任者という意味ではないです。

現場レベルでの責任者のことなので、通常はマネージャークラスの役職の人がインチャージを務めることが多いです。

ただ、これは別にマネージャーにならないとインチャージになれないという決まりはないので、中堅監査法人のように比較的小規模なクライアントのインチャージはシニアスタッフレベルで抜擢されることも普通にあります(最速では入社2年目で任されたりとか)。

どのくらいの年次の人がインチャージになれるかは、その人の役職とクライアントの規模によりけりですね。

まあでも、ほとんどの場合はマネージャーかシニアマネージャーがインチャージを務めます。

そしてインチャージは監査現場レベルでの最終責任者なのでよほどの大規模クライアントでなければ、クライアント1社につき1人です。

では、そのインチャージの役割とはなんでしょうか?

それは、監査現場でのリーダーとして全指揮権を取り、監査の全体像を把握して周りのメンバーの調書のレビューもしながら自分も手を動かして調書を作成するという、とても大変な役割です。

基本的には、インチャージ以下のスタッフが作成した調書は最終的にインチャージがレビューをしてOKを出したら実質完了ということになります。

実際はパートナーも調書のレビューをしますけど、それはほとんど形だけでインチャージのレビューでOKをもらえればほぼその調書は完成したとみなしていいでしょう。

ちなみに、結構多くの人が1人で2~3社のインチャージをしているケースもあるので本当に彼らは大変なのです。

我々スタッフレベルでは、基本的には1日に訪れるクライアントは基本的に1社なのですが、インチャージは自分が担当しているクライアントをなるべく現場を訪れてスタッフたちの様子などの進捗確認やクライアントとの重要な論点の話をしたりするので、午前中に1つのクライアントを訪れて自分たちに指示や作業をして、午後にはまた別のクライアント先に足を運ぶというような掛け持ち出勤をすることも普通にあるので、管理能力と会計士としてのプレイヤーという2つの能力を持ち合わせていなければ務まりません。

だから必然的に経験を積んだマネージャー以上の人たちがインチャージをすることが多いわけですね。

そしてこのインチャージを経験した人というのは、転職市場での市場価値が一気に上がります。

会計士としての知識・経験だけでなく管理能力も兼ね備えた人物という評価になるので、転職をするなら一度インチャージを経験してみた方が市場価値は跳ね上がるでしょう。

ちなみに、中堅監査法人時代に自分の担当クライアントの上司だった人(インチャージ)も、「インチャージを経験して2~3年ぐらいの人が一番転職の時に評価されると思うよ。そのぐらいが若くて管理能力も備わっていると思われるからどこの企業も欲しがると思う。」と言っていたのを鮮明に覚えています。

実際、求人情報とかでも経理や財務職で「インチャージ経験ある人尚可」みたいな文言をよくみたりするので、やはり事業会社の経理責任者として活躍するにはインチャージ経験がある人が有利になることは間違いないと思います。

ちなみに、自分は当然インチャージは経験したことがないです。

まだ3年しか経ってないですし、担当クライアントが大規模なので、今のままだとまず10年くらいはインチャージに抜擢されることはないでしょうね。

なので、会計士としての転職市場を飛躍的上げたいという人は、小規模クライアントを担当して早めにインチャージになれるようにするというのもおススメです。